人材育成の取り組み~人づくりのための3つの取り組み~

「不確実性が常態化し、社会や生活の変化が加速する環境下で持続的に成長していくには“ 変化を先取りする人づくり”が必須になる」という考えのもと、リスキリングを含めた人材投資を積極的に行っています。そしてその変化を、商品・サービスに反映させることを通じて、お客様に価値提供できる喜びを共有する、“変化を楽しむ風土づくり”を推進しています。

さらに、変化への対応や変化の促進を持続可能なものにするために、“ 変化し続ける仕組みづくり”ともいえる人事制度・評価制度などの改革にも同時進行で取り組んでいます。

  1. 変化を先取りする人づくり
  2. 変化を楽しむ風土づくり
  3. 変化に対応する仕組みづくり

① 変化を先取りする人づくり

定期採用・経験者採用社員研修

当グループとして変えてはならないこと・変えるべきことを理解してもらうべく、入職者を対象に「グループ理念研修」を実施しています。具体的には、学研の歴史についての動画視聴、創業者古岡秀人の伝記『望洋』の読本課題などに取り組みます。入職者は、創業者が「戦後の復興は、教育をおいてほかにない」という強い信念を持って、事業の礎を築いてきたことを学ぶとともに、創業から幾度となく訪れた苦難を乗り越え発展してきたグループの成り立ちを理解した上で、グループの一員として働く自覚を醸成します。

新入社員研修のようす
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新入社員研修のようす

役員研修

当グループのコーポレートガバナンスガイドラインの規定に基づき、学研ホールディングスの役員全員を対象にした研修を実施しています。外部環境への理解や、長期的に自社が目指す姿についての議論を重ねています。

2023年9月期は、ご覧のテーマで全3回開催しました。主にディスカッションを通して、当グループの企業価値、中長期的ビジョンを明らかにしていきました。

<2023年研修テーマ>
 

  • 新・MVVへの理解の深化と浸透について
  • 外部から見る学研ホールディングスの現状と今後
  • 学研のマテリアリティとは何なのか

コアスキル研修

職位や職種・事業領域を超えて共通活用できる「ポータブルスキル」習得を主眼にした、グループ全社の従業員が参加可能な研修です。2022年9月期は、「マネジメント(MBA)知識」をテーマにマーケティングや財務などを取り上げたコアスキル研修全9回を開催し、延べ500名が参加しました。
 
一人でも多くの従業員に参加してもらうため、従来は半日~1日かけて実施していたプログラムを、短時間(2時間)に凝縮するとともに、フルリモート形式(人数制限なし・勤務地等不問)で開催しました。デジタルツールやチャットによるテキストコミュニケーションを積極的に活用し、多人数でも双方向性を損なわない学習体験を提供しました。

延べ500名が参加したコアスキル研修
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延べ500名が参加したコアスキル研修

学位(MBA/MOTなど)取得の促進プログラム

「VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)」が加速する社会環境の中で、当グループ行動指針の一つ「まなび続ける」を実践する社員の背中を押す“リカレントプログラム”を積極的に推進しています。2022年9月期は、東京理科大学を指定校にしてMOT(技術経営)の学位取得支援を実施。応募者のなかから社内選考を通過した2名が、入学試験に合格し、業務の合間を縫って現在通学中です。東京理科大学以外にも、自身が志望するMBA・MOT等の学位取得を目指す従業員への通学補助の制度を創設し、3名が利用しています。

 

(2023年9月末現在)

東京理科大学 加藤晃教授によるオンライン講演
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東京理科大学 加藤晃教授によるオンライン講演

② 変化を楽しむ風土づくり

Biz Hack Fes(ビズ・ハック・フェス)

多様な事業において人材が活躍する学研グループ内で、お互いの仕事を知り・学び合うことをねらいとして、グループ全社の従業員が参加できる社内イベント「Biz Hack Fes」を開催しています。多岐にわたるテーマを扱っており、例えば、「MVP候補者編」では、半期に一度選出されるグループMVP候補者の理念体現へのこだわりや仕事のノウハウなどの共有を図ります。また「リカレント教育編」では、大学教授による社会トレンドや社会人の学びについての講演、働きながら学位取得を目指しているグループ社員によるパネルディスカッションを通して、リカレントな学びの楽しさへいざないます。

各社の事業トライアルを共有する貴重なインナーコミュニケーションの機会。
グローバル戦略室のベトナム事業や、学研スタディエのESD施策、『地球の歩き方』のコラボレーションなどの事例を共有しました。

グループ内公募

従業員一人ひとりが自身のキャリア開発に興味・関心を持ち、自らのキャリア実現のために仕事や職場を選択する機会を設けることを目的に、グループ内公募制度を設けています。学研グループの戦略や事業・業務上の全体最適をふまえた人材の異動・配置に加え、従業員自らが主体的に応募可能な異動・配置の機会を提供することで、個々人のキャリアアップを促し、さらなる組織活性化を図っています。

③ 変化に対応する仕組みづくり

DX人材に魅力ある新たな人事制度(Gakken LEAP)

当グループのDXを牽引する役割を担うGakken LEAPを2021年12月1日に新設しました。DX人材の獲得競争が激化するなかで、魅力ある労働環境づくりを目指し、従来の制度とは抜本的に異なる発想で新しい人事制度を策定、運用しています。DX人材の働きがいと働きやすさを実現するために、ロール(役割)型雇用を導入。「DX推進スキル標準」(経済産業省)に規定された役割定義を勘案したロールに、等級(グレード)をかけあわせ、各自に求められるスキルレベルを定義し、それに基づいた採用・処遇・評価・配属を行っています。例えば、評価においては、業績だけでなく、価値・行動を加味し、「意欲をもって挑戦する社員が評価される設計」になっています。
 
また、プロジェクト関係者・同僚・部下といった他者視点を含めた多面的アセスメントを用いて、「本人が気づいていない強みや課題を自覚し、さらなる成長につなげてもらう仕組み」を整えています。

役員層のESG評価

人的資本経営の推進においては、財務資本に加えて非財務資本の有効活用による「フィナンシャルインパクトとソーシャルインパクトの両立」が重要な課題となります。この課題をより早く、より着実に、より多く実現するためには、経営陣のコミットメントが必須となります。こうした考え方のもと、学研ホールディングスの取締役・執行役員とグループ主要会社の取締役に対し、従来の財務指標に非財務指標を加えた役員報酬体系を2023年9月期から導入しています。