「科学」が理科に役立つふろくだったのに対し、「学習」には社会科* に役立つふろくが多くついていた。社会科とはどんな教科だっただろうか。1年生:学校探検と近所の様子、2年生:いろいろな仕事、3年生:市町村、4年生:日本の国土と都道府県、5年生:日本の産業と世界の国々、6年生:歴史・政治、と、人間のつながりや世の中のしくみを学ぶのだが、扱う範囲は学年を追うごとに広がっていく。捉え方次第では漠然とした教科ではあるが、ふろくのおかげでずいぶん親しみやすさを感じられた。
例えば2年生には、駅員さんの切符ばさみや郵便局の消印スタンプなどがつき、具体的なイメージを体得できた。3年生の地図記号スタンプや5年生の産業スタンプは、ノートの整理に役立った。
3年生で「昔の暮らし」、4年生では郷土の歴史を簡単に学ぶが歴史の勉強が本格的に始まるのは6年生の4月からであった。教科書の小さな資料写真や絵画、かいつまんで書かれた文章から、人物、建造物、戦乱を想像し、興奮した。そんなときタイミングよくついた学習の歴史ふろくで、さらに具体的なイメージを得ることができた。たとえミニチュアであっても、手を触れて歴史を感じることができたのだ。コインづくりセットは、3年生の「昔の暮らし」または5年生の「貨幣で見る産業」として登場した。別冊ふろくの「日本の歴史」は、体裁を変えながら長く続いた。教科書を補ってあまりある情報量であった。
*'90年度から1、2年生の社会科はなくなった。