グループ会社の学研パブリッシングが発行するDIY雑誌「ドゥーパ!」では、フィリピン共和国カオハガン島に暮らす人たちの木工による経済的な自立を応援しています。 今後もDIY雑誌「ドゥーパ!」を通して、この活動を広くアピールし、プロジェクトの進展を応援していく所存です。
カオハガン島は、北緯10度、フィリピン・セブ島沖に位置するラプ=ラプ市のオランゴ環礁に属する、東京ドームの大きさと同じくらいの小さな島です。
自然の豊かな美しい珊瑚の海が広がる環境のため、日々の食事には困らないものの、収入源があまりないために、まともな医療や教育などが受けられないでいました。
この島の日本人オーナー崎山克彦さんは、20年近くにわたって、この島に暮らす島民たちの経済的な自立を目指した様々な取り組みをしてきました。
その一環として、この木工プロジェクトは、島民たちが木工作品を制作し、販売することで、経済的な自立を目指すプロジェクトです。
学研のDIY雑誌「ドゥーパ!」が主体となり、電動工具メーカーの「リョービ」より電動工具の無償提供をいただき、また、島民たちへの木工指導のため、木工家白井糺さんにご協力いただきました。
現地では、木工作業の得意な30代の男性ジュニオールを中心に、30代、20代の男性たちがプロジェクトメンバーとなり、電動工具の使い方を白井糺さんから学び、木工作品の試作に取り組みました。
現在は、電動工具を活用して、木のお皿、カレンダー、ウクレレ、表札、風車、小さな箱、椅子、テーブルなどを製作。特にお皿などのクラフト作品は、この地域に多く自生するヤシの木を素材にして、その表面には、ヤシの特徴である縦に入った白い繊維のラインが浮かび上がり、この島に訪れる観光客に喜ばれています。
また、鳥や魚などをかたどったスタンプも製作中です。日本のスタンプ会社よりオーダーがあり、スタンプの持ち手を作るのに電動工具を使っています。
このプロジェクトにより、木工の技術力が向上し、クラフト作品のクオリティが高まりました。また、電動工具を使うことで製作する作品の幅が広がり、木工作品のバリエーションが増えました。
販売のメインは島を訪れる観光客のお土産用としてなので、訪れる観光客数に左右されてしまうため、安定的な収入を確保するには至っていません。
今後は、さらに技術力を高め、様々な特徴ある木工クラフト作品や実用性のある商品を生み出し、島の観光客だけではなく、セブなどの都市や、日本での販売なども目指していきたい。
DIY雑誌「ドゥーパ!」を通して、この活動を広くアピールし、プロジェクトを継続させていきます。
カオハガン島の木工プロジェクトのリーダー
ジュニオールのインタビュー
Qはじめて電動工具を使った感想は?
「早くて、疲れずにできるのでとても便利だと思った。早く作品を作り上げることができるので、お客さんの急なオーダーにも対応できる。どんどんアイディアが形になるし、次々に作れるので、電動工具があると楽しいです」
Q問題点はありますか?
「島は発電機を使って発電しているので、電圧が安定しない。電力が足りないと使えないことがあるのが問題です」
Q木工家白井糺さんの指導はどうでしたか?
「白井さんの仕事はとても質が高い。いろんなアイディアを持っているので、もっと彼の仕事を近くで見て、学びたい。白井さんは、どうすれば早く綺麗にできるかを知っているが、自分はまだ経験が足りないのでわからない。白井さんに3ヶ月くらい島に教えに来て欲しい!」
Qこのプロジェクトへのメッセージを
「わたしたちのカオハガン島のクラフト作りをサポートしてくれて、たくさんのお礼を言いたいです。電動工具を頂くことができてとても嬉しい。助けてくれてありがとうございます」
Qこれからの夢、目標は?
「島で木工の仕事がずっと続けられること。仕事がなくなってしまったら、仲間もみんなきちんとした生活をしなくなってしまう。もっとたくさんの島の人にクラフト作りに参加して欲しい。そしてみんなでカオハガンクラフトを続けていきたいと思っています」