学研グループでは、社会貢献型クレジットカード「学研教室カード、学研教室プレミアカード、学研ファミリーカード」のご利用金額の一部を、公益財団法人プラン・ジャパンに寄付し、途上国の子どもの教育環境の整備に取り組んでいます。
このたび、この寄付金によるプロジェクトとして、2012年12月に開始した「タイにおける乳幼児教育支援プロジェクト」が完了しましたので、お知らせいたします。
学研カード会員の皆様のご支援に心より感謝を申し上げます。
本プロジェクトの紹介および進捗状況の報告は、下記のページをご覧ください。
タイのスリン島にある乳幼児教育施設には、年齢にあった適切な教材やおもちゃなどが備えられておらず、教育に適した環境ではありませんでした。そのため、小学校入学に備えて子どもたちの潜在能力を十分に伸ばすことが困難でした。
このような状況を改善するため、本プロジェクトではスリン島の小学校に付属する乳幼児教育施設において、教師用寄宿舎の建設、屋根付運動場の設置、教材と備品の支給および各種トレーニングを行いました。
本プロジェクトは2012年12月に開始しましたが、準備の段階で活動内容を大幅に変更する必要が生じました。当初は島の対岸にある「本土における簡易宿泊所兼乳幼児教育施設の改築」を予定していましたが、その土地所有者から、土地を譲り受けることとなりました。しかしながら、土地の譲渡手続きが長期間を要すること、またモーケン族の人々からスリン島にある乳幼児施設をさらに充実してほしいとの声が挙がったことから、スリン島にて「教師用寄宿舎の建設」、「屋根付運動場の設置」を実施し、あわせて「教材と備品の支給」、「トレーニングの実施」を行うことになりました。
スリン島には3人の教師が勤務していますが、うち 2 人は常駐できる住まいがなく、コミュニティの共有スペースにテントを張って住まいとしていたため、教師用寄宿舎の建設が求められていました。タイ王国海軍の協力を得て本土より建設資材を運搬し、2014年11月に建設が完了しました。
2014年6月に完成しました。現在は、コミュニティの子どもたちだけでなく、大人たちも強い日差しなどに煩わされずに、卓球などのスポーツを楽しんでいます。
2014年1月と6月に、教材と備品を支給しました。プランとパートナー団体は、毎月、支給した衛生キット(歯磨き粉、歯ブラシ、コップ、タオル)や備品(マットレスなど)、教材の使用・維持管理状況を確認し、教師たちは、それらを子どもたちの発育のために最大限活用できるよう、新たに学習指導計画書を策定しました。
幼い子どもを持つ両親やボランティアが、島に居ながら自分たちで適切に乳幼児の世話ができるようトレーニングを実施しました。トレーニングでは、まず自分たちの持つ乳幼児保育の知識を他の参加者と共有し、母乳育児の重要性や一般疾患の治療法などの知識を習得しました。また、砂糖と塩を使って簡単に作れる経口補水液の作り方を学んだり、妊産婦ケアについての知識を深めました。
乳幼児を含む 15 歳以下の子どもたち 130 人の教育環境が、大幅に改善されました。島に教師用寄宿舎が完成したことにより、教師 の寄宿先が確保され、教師はより職務に集中できるようになりました。また、教材や備品の支給により、効果的な学習環境が整いました。特に衛生キットは、子どもたちが手洗い、歯磨き、身づくろいなどの衛生習慣を身につけるきっかけとなりました。
さらに、島の人々にとって新しい概念である「乳幼児保育」が、子どもの成長にとって大切なものだという意識が浸透し、乳幼児保育に積極的に取り組む保護者が今後さらに増えることで、小学校の就学率が向上することが期待できます。
「乳幼児教育施設で、初めて歯磨きと手洗いの方法を学びました」(女の子/5歳)
「乳幼児教育施設にある新しいおもちゃで遊ぶのが、とても楽しいです」(男の子/7歳)
「私は、このプロジェクトを通じて、乳幼児教育施設で使うための乳幼児に適切な教材を選ぶ機会がありました。これらの教材は遊びながら学ぶことができるので、子どもたちは楽しんで教材を使っています。また、これらの教材は子どもたちが絵を見て学ぶことができるので、高い学習効果があり、以前実施していた指導方法より優れています」
(カエン/プロジェクトにおいて主導的役割を果たしたモーケン族の教師)
「新しい教材は、子どもたちの関心を惹くことができます。私には限られた教師経験しかないので、これらの教材が役立ちます。教えることにもっと自信を持てるようになりました。株式会社学研ホールディングス様のご支援に、心より感謝申し上げます」
(ジャク/トレーニングを受けて補助教員となったコミュニティ ボランティア)
学研ホールディングス CSR推進室
(写真提供:プラン・ジャパン)