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研究員レポート

2010年8月7日(土)

教育夏まつり2010「身近な不思議をさぐろう~科学おもしろ大実験」

 今年の教育祭りは、横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校で行われました。この高校は、創立2年目の理数系高校でスーパーアドバイザーにノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊氏をはじめ、有馬朗人氏など第一級の科学者を助言者として迎えています。    
 私は、この高校の科学技術顧問(大学・大学院や企業の研究者50人超で組織)の1人で、設立準備段階から関っています。そんな縁もあり、今年は本格的に参画し、科学実験ショーを行うことになりました。

 会場は、階段状の観客席が370席もある大きなホールで、音響システム、映像システム等完備された立派な施設です。今まで、多くの会場で実験ショーを行ってきましたが、公立の学校でこれだけの設備を整えているところはあまりありません。ただ、設備が整っている分、規制も厳しく、今回の実験ショーの目玉実験だった「ジャンボ空気砲」が、煙感知器の関係上プログラムから削除しなければならなかったことが残念でした

 実験ショーは、午前と午後1回ずつの2回。学生さんのお手伝いもあり準備も順調に進めることができました。ただ、興味深いイベントプログラムが目白押しで、開催時間も重なっていたため、お客さんをどのくらい動員できるか不安でした。あまりに少なかったら、前の方に集まってもらって、ごく家庭的にやろうかと思いました(笑)。確かにお客さんの誘導など多少混乱が見られ、出足は鈍く感じられましたが、開演15分前あたりから始まった、教育総合研究所の安威所長と広報室の藤林室長の積極的な呼び込み作戦もあり、多くの観客で会場を埋めることができました。
いよいよ、実験ショー1回目。客席一番前のセンターに、鈴木寛文部科学副大臣が奥様とお子さん連れで座られ、一番後ろの席には元文部科学大臣の河村議員もいらっしゃいました。
数年前から「その道の達人」と言う文科省の事業に参加し、全国の学校(小・中・高校)で科学実験授業を続けましたが、その事業も予算縮小の煽りを受けて中止。理科支援制度もしかり。これは予算復活の千載一遇のチャンス! とまでは言いませんが、心なしかいつもより力が入りました。
鈴木副大臣のお子さんは、2~3歳で科学も何もわからなかったと思いますが、空気で飛ぶヘリコプターや手回し発電で浮くUFO、ジャンボ風船を使った空気実験などに反応して、とても喜んでいました。その姿を見て大臣と奥様も嬉しそうにされていました。
午後も盛況のうちにプログラムを終えることができました。小さなお子さんから大人の方まで、様々な方に参加していただきました。ありがとうございました

 先日、タイへ出張に行き、政府主導による100万人規模の子ども向けの科学技術イベントに参加して、学研科学実験教室のプログラムを紹介してきました。そこで、タイの熱心な科学教育への取り組みを肌で感じ、PISAでもそのうち上位に入ってくるのではないか?と思いました。しかし日本でも、この「教育夏まつり」のような官民一体となった活動を地道に続けることが、ものづくり国家の基盤を支えていくのだということも再確認しました。

(学研科学創造研究所 湯本博文所長)

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