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小学生白書Web版 2018年9月調査

【調査テーマ】「小学生の日常生活・学習・自由研究等に関する調査」

探究トピック
STE(A)M教育に対する保護者の意識と家庭における学習環境について
★STE(A)M教育を知っている保護者は、子どもに通信機器(デジタル機器)を利用した学びを求めている

柴山文部科学大臣が2019年4月17日に中央教育審議会に提出した諮問「新しい時代の初等中等教育の在り方について」(31文科初等第49号)※1には、高等学校教育の在り方について検討する項目の一つに“STEAM教育の推進”が挙げられました。高等教育の枠組みでは、文部科学省が2018年6月5日に公開した「Society 5.0に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~」※2において、大学以降の教育における“STEAMやデザイン思考の必要性”がSociety5.0に向けて取り組むべき政策の一つに挙げられましたが、初等中等教育でのSTEAM 教育について文部科学省から公式に語られるのは、今回の諮問が初めてのことです。

一方、学研教育総合研究所が2018年9月に、小学生の保護者1200名を対象に実施した調査(小学生白書Web版2018年9月調査)では、当時の小学生保護者におけるSTEM教育あるいはSTEAM教育(以後、「STE(A)M教育」とする)の認知度は約20%で、「どのようなものか知っている」あるいは「言葉を聞いたことはある」と回答した保護者は少数派であるという結果でした。この度、文部科学省が初めて公式に初等中等教育におけるSTEAM教育について言及したことを受けて、以前からSTE(A)M教育について知っている少数派の保護者の教育観は、他の多数派の保護者のそれとは何か違いがあるのかを、他の質問項目に対する回答と改めて組み合わせて集計(クロス集計)しながら探りました。※3

(1)STE(A)M教育について知っている保護者は、子どもに高学歴を望む傾向!

保護者が希望する子どもの最終学歴に関する質問項目 とのクロス集計からは、STE(A)M教育を知っている保護者ほど、子どもに大学院教育まで望んでいる割合が高い傾向であることが分かりました。

【図A1】保護者のSTE(A)M教育に対する意識×子どもに期待する学歴

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(2)STE(A)M教育について知っている保護者は、プログラミング学習に期待する傾向!

保護者が子どもに期待するプログラミング教育に関する質問項目 とのクロス集計からは、STE(A)M教育を知っている保護者ほど、子どもにプログラミングをより深く学んで欲しいと考える傾向があることが分かりました。

【図A2】保護者のSTE(A)M教育に対する意識×子どもに期待するプログラミング学習

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(3)STE(A)M教育について知っている保護者は、学習のデジタル化に肯定的な傾向!

保護者のデジタル学習に対する意識に関する質問項目とのクロス集計からは、STE(A)M教育を知っている保護者ほど、子どもに通信機器(デジタル機器)を利用した学習をさせたいと思う傾向があることが分かりました。

【図A3】保護者のSTE(A)M教育に対する意識×デジタル学習への積極性

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(4)STE(A)M教育について知っている保護者は、子ども専用通信機器を容認する傾向!

子どもの通信機器利用に対する保護者の意識に関する質問項目とのクロス集計からは、STE(A)M教育を知っている保護者ほど、子ども専用で自由に使える通信機器を与える傾向があることが分かりました。なお、元の調査では通信機器の一種としてゲーム機も回答選択肢に含めてありましたが、ここでのクロス集計にはゲーム機(ゲーム利用を前提とした機器)の保有状況は含めていません。

【図A4】保護者のSTE(A)M教育に対する意識×子どもの通信機器所有状況

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※1 文部科学省(2019.4.17) 「新しい時代の初等中等教育の在り方について」(31文科初等第49号)

※2 文部科学省(2018.6.5) 「Society 5.0に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~(概要)

※3 ここでのクロス集計は相関関係を示唆しているだけですので、因果関係(原因と結果の関係)について言及するものではありません。例えば、この調査結果だけからでは、「保護者がSTE(A)M教育について知ることで、子どもに大学院教育まで求めるようになった」のか、あるいは「子どもに大学院教育まで求める保護者だからこそ、STE(A)M教育について知る機会があった」のかを区別することはできません。