2024年11月9日に、品川区×学研ホールディングス共催でしながわ防災学校『レスキューナース直伝 大切な人を護るための防災のイロハ』を開催しました。

本セミナーは、実地とオンラインのハイブリッド形式で開催し、約60名の品川区民の皆様にご参加いただきました。

 

本セミナーに講師として登壇した国際災害レスキューナース・辻直美先生は、阪神淡路大震災、東日本大震災など数々の災害現場を経験され、被災時に本当に必要だった 「備え」と、減災のための「心得」を知り、自分だけでなく周りの人を護るための活動をしています。昨年3月に当社グループのメディカル・ケア・サービス株式会社より発行し、株式会社Gakkenより発刊された『地震・台風時に動けるガイド 大事な人を護る災害対策』では、その知恵を惜しみなく伝授しています。

 

■開催背景
 近年、日本各地で頻発する地震災害により、多くの地域が甚大な被害を受けています。特に首都圏では、今後30年以内に約70%の確率で「首都直下地震」が発生する可能性が指摘されており、これに備えることが急務とされています。また、超高齢社会を迎えた日本では、災害時に高齢者が迅速に避難所にたどり着けないリスクが高まっており、「在宅避難」の準備が重要視されています。
当社と品川区は、本年より包括連携協定を締結し、子育て支援や学習支援、金融教育や防災対策などの取り組みを開始しております。本防災セミナーも、包括連携協定の一環として開催しました。

 

■開催内容
 講師の辻直美先生からは、「防災のイロハ」として、減災や早期復興、快適な避難生活を送るための防災の意義について解説がありました。防災ボトルや防災ポーチ、ポータブル電源、災害トイレ、防災リュックなどの防災グッズに加え、転倒防止板や滑り止めシートといった家庭でできる防災テクニックも紹介されました。また、能登半島の事例をもとに、口腔ケアや排泄対策が誤嚥性肺炎など被災後の健康維持にも重要と説明がありました。防災は特別な準備ではなく、日常生活に+αとして取り入れることで普段の生活の質も向上することが強調され、ペットボトルのキャップを使ったうがいの方法や、ペットボトルを利用したランタンの作り方、新聞紙を使った頭の守り方など、参加者は楽しみながら防災について学びました。講演最後には、対策グッズや減災の方法に沢山の質問が寄せられました。

 

■講師紹介
辻 直美氏(国際災害レスキューナース/一般社団法人育母塾代表理事)
国際災害レスキューナース。一般社団法人育母塾代表理事。看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。実家が全壊したのを機に災害医療に目覚める。看護師歴33年、災害レスキューナースとしては29年活躍し、被災地派遣は国内20件、海外2件。被災地での過酷な経験をもとに、“本当に使えた”防災テクニックと正しい知識を多くの人に知ってほしいと、大学や小中学校で教えるだけでなく、企業や一般向けの講座も行なっている。最近は企業に対しての防災コンサルタントとしても活動中。