株式会社学研ホールディングス(東京・品川/代表取締役社長:宮原博昭)のグループ会社で330以上の介護事業所を運営するメディカル・ケア・サービス株式会社(埼玉・さいたま市/代表取締役社長:山本教雄)は、この度「MCSケアモデル」として、介護のケアモデルを確立しました。
これまで一般的な介護現場では、ベテランやカリスマなど、個人の経験や力量による属人的なケアが提供されてきました。それに対し、「科学的介護」が社会的にも推し進められる中で、当社では、2019年より「MCS版自立支援ケア」を導入。科学的根拠に基づいた再現性の高いケアに取り組んできました。今回「MCSケアモデル」では、当社が蓄積したケアのノウハウを生かし、ケアの目的と目指すご利用者の状態、その解決に必要な方法を体系化し確立しました。「MCSケアモデル」を基盤とすることで、スタッフ間でケアの目的や考え方に対する共通認識を持ち、身体面の評価、認知症のBPSD(行動・心理症状)の消失・緩和のための根拠に基づいたケアを選択できます。誰でもどこでも高品質のサービスを提供できる仕組みの構築により、ご利用者のさらなる生活の質の向上を目指します。
目的:当たり前の生活を実現する
認知症になっても、寝たきりになっても自身の想いが表出でき、何をしたいのか、どこに行きたいのか、何を食べたいのか、誰と会いたいのか、何をすると楽しいのか、何もしない等、自分の行動を自由に選択して、実行できる状態を目指します。
「6つの目指す状態」
ご利用者の「当たり前の生活を実現する」ために、生活を支える私たち介護職が諦めずに共に歩んでいく。 どのような状態にあるご利用者であっても、当たり前の生活を実現するための道しるべとして6つの状態を目指します。「6つの目指す状態」に対して、ご利用者の状態を評価する独自のアウトカム指標を設定しています。 |
生活課題に直結する要素を「6つの目指す状態」として設定。おいしく味わえる食事状態やトイレでの排せつ、自分の足でしっかりと歩ける歩行状態、快適な睡眠など身体面での状態改善や、自分の望み・想いを表出できる状態をつくること、また、認知症の方の「不確かさ」で「不安」な状況を「確か」で「安心」できる状況にすることなど、この6つが整うことで「当たり前の生活を実現する」ことにつながると考えています。
「12の解決方法」
6つの目指す状態にするために心身の状況やその人を取り巻く環境に関する12の解決方法を確立しました。 |
6つの状態を目指すためには、まずMCS版自立支援ケアでも注力してきた「水分」「栄養」「運動」、医療と連携した「処方薬の適正化」、正しい「姿勢」、「口腔機能」など、身体の状態改善が必要です。また、当社が大切にしてきた「人」と「人」との関係性や「つながり」、場所・時間・人等が確かになり安心できる「コミュニケーション」など、安心感やその人の意欲を引き出すことで、行動の変化につながります。さらに、安心して自由に行動できる「生活空間」や自分でできる可能性を増やす「靴・道具」などの基本的な生活環境を整えることも大切だと考えています。
これまで蓄積してきた各事業所での特徴的な取り組みを生かしつつ、「MCSケアモデル」をケアの基盤とし、介護スタッフ間でケアの目的や考え方に対する共通認識を持つことで、当社のミッション「認知症を取り巻く、あらゆる社会環境を変革する」やビジョンの実現に向けて取り組んでまいります。
1999年、埼玉県さいたま市で創業。創業当時より認知症ケアを専門とし、認知症高齢者対応のグループホーム「愛の家」を中心に、介護付有料老人ホーム「アンサンブル」「ファミニュー」など、多様な介護サービスを展開。現在、330以上の介護事業所を運営し、グループホーム運営居室数は日本一の実績を誇ります。海外では、中国を中心に有料老人ホームの運営や開発コンサルティング等の事業を展開。
「認知症を超える。」をブランドメッセージとし、認知症のある方も誰もがその方らしく当たり前に暮らせる社会の実現を目指しています。
設立:1999年11月24日
所在地:〒330-6029 埼玉県さいたま市中央区新都心11-2 ランド・アクシス・タワー29階
代表者:代表取締役社長 山本 教雄
社員:約6,900名
売上高:349億円(2022年9月期)
拠点:日本国内32都道府県336事業所、海外(中国)7棟
HP:https://www.mcsg.co.jp/
(2023年7月現在)