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研究分野:教育情報研究分野

シリーズ「教育大変動」を語る

第3回

「動き出した小学校英語の必修化」

小学校英語は国家戦略
古川:
 「審議の状況」のなかには、「英語に興味関心を持つようになった」という肯定的な意見とともに、「それほど変化が見られなかった」といった、効果を疑問視する意識調査の結果が載っております。
中嶋:
 未来を見据えて、いかに子どもたちを立派な社会人に育てるかということが教育です。私の持論ですが、90年代初頭からこの15年ぐらいの間のグローバル化による変化というのはものすごい。われわれが普段食べる物の90%近くが外国から入ってくるというような、地球市民的な状況になり始めている。そういう時代に生きる子どもを育てるというわけですから、過去のデータを実証しなければ新しいことに取り組めないということにはならないのです。英語教育の問題は、国家の戦略として未来を論ずるような立場から考えていかなければいけないと思います。
古川:
 同じく「小学校低・中学年までは、子どもたちは喜んでコミュニケーションをとろうとするが、高学年になるとそれができなくなる」と報告されています。改めて小学校英語は、スキルなのでしょうか、それともコミュニケーションなのでしょうか?
中嶋:
 スキル的な面は、耳から聞いて覚えるから子どものほうが速い。それは当然のことですが、その後コミュニケーションをする段階になってきてうまくいかないというのは、まさに英語の指導の仕方がまずいわけです。特に中学校、高校で文法をやると、英語を喋る前に文法を考えるから、日本人は大学まで英語を学んでもほとんど喋れない。そういうことを根本的に直していかなければいけません。
 ですからスキルかコミュニケーションかといった二者択一ではない。われわれが目的とするのは、日本人としての発信力です。外国人が来たとき、日本人が外国に行くとき、インターネットその他で発信するとき、コミュニケーションのトゥールとして英語を使えるかどうかが重要なのです。

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