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研究分野:教育情報研究分野

シリーズ「教育大変動」を語る

第4回

「全国的な学力調査」の真のねらい

教育課程実施状況調査のさらに基礎
全国的な学力調査の概要
意義・目的
義務教育の新システム(PDCAサイクル)により、教育の結果の検証を国の責任で行い、義務教育の質を保証する
対象学年と教科
小学6年生 国語と算数/中学3年生 国語と数学
調査規模
対象学年の全児童生徒
調査頻度
平成19年から毎年実施
古川:
 具体的な出題に関してですが、小6と中3、それぞれの出題範囲はどこまでになるのでしょうか? また、正解率はどの程度とお考えですか?
梶田:
 小6、中3ともその前の学年までの学習内容全てになりますが、一番多い問題は、やはり前の1年間でやってきたことになると思います。正解率は最初から考えません。正解率から考えると、どうしても、集団標準に準拠したテストのつくり方(ノーム・リファレンスド)に流れてしまうんですね。今回は、到達基準に準拠した(クライテリオン・リファレンスド)ということでいきます。小6だったら、中3だったらこのくらいはわかって出来てほしいよね、というところで考えようということなんです。
古川:
 教育課程実施状況調査とどのように異なりますか?
梶田:
 教育課程実施状況の調査は、指導要領にあることの中で、ポイントになるものについてきちっと調査しようというものです。ですから中学校の5教科、小学校の4教科をやるのです。全国学力調査の方は、そのポイントになるものの一番下の基礎になることを問題にします。だから「基盤学力」という言葉を使っているわけです。これは考え方の話であって、実際の問題はあんまり違わないのでは、と言われてもしょうがないかもしれませんね。そこのところはなかなか難しいのです。
古川:
 問題のタイプを知識と活用という2つに定義されていますが、活用に関しては、OECDのPISA調査の問題がイメージされているのでしょうか? また出題数は?
梶田:
 基本はそうですが、IEAのTIMSSも同じような面を持っていますからね。論述式の問題を入れていますので。活用ということでそれぞれの調査から考える部分は当然あります。IEAに日本はもう長く30年以上参加してきました。この土台もきちっと踏まえてということですね。出題数は2、3問だと思います。日本の子どもは記述式に弱いんですが、書いて間違うのではなくて、始めから書かないんですね。だからどうやったらみんなが書いてくれるか、会議では大分話し合いをしました。

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