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研究分野:教育情報研究分野

シリーズ「教育大変動」を語る

第7回

「教職大学院は制度として定着するか?」

「新構想大学」ではなぜだめなのか?
古川:
 「教職大学院」制度が、平成20年4月から導入されることが決まりました。今までの大学院と根本的に異なるのでしょうか?
梶田:
 今でも現職の先生が大学院で正規のマスターコースに行く道はあります。典型的なものが、兵庫教育大、上越教育大、鳴門教育大といった「新構想大学」です。その後「14条特例」という、国立大学の教育学部や教育大学を中心に1年間のマスターコースも設けられました。

 しかし、これらには非常に強い批判がありました。そこに行って勉強しても、教壇に立つ教師としての力量が必ずしも付くわけではないということです。社会科教育で行っても、たとえば古代ギリシャについて一点豪華主義的に知識が深まるだけで、全体として指導する力量が出来ていない。算数・数学でも、たとえば関数論についての知識が深まっても、関数を子どもたちにわからせる力が身につくとは限らない、というわけです。

 そういう反省の上に立って、プラクティカルなものも強調する必要があろうということがずっと言われ、今回の教職大学院につながっているわけです。現場で役に立つ力量をきちっと身につけることが主眼です。それをハウトゥー的にではなく、アカデミックなバックグラウンドの下でやりたい、それが基本的な考え方です。

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