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研究分野:教育情報研究分野

シリーズ「教育大変動」を語る

第3回

「動き出した小学校英語の必修化」

中学校の英語の教科書で十分?
古川:
 誰がどうやって教えるかについては、「審議の状況」では原則として学級担任が教えるとなっています。学級担任にはどこまで求められているのでしょうか? また、ALTや地域の人材、さらにICT教材についてはどのようにお考えでしょうか?
中嶋:
 条件整備については、まだこれから詰めなければいけない。国家戦略として、文科省予算だけではなく、財務省、総務省など国全体として考えていくべき問題です。
 担任の先生の英語力ですが、少なくとも義務教育の段階から高校ぐらいまでは英語をやってきているわけだから、それで十分です。

 私は中学のときに、“Understanding the World” という4ページぐらいのものを暗記して、それで今でもほとんどの国際社会で喋れる。あとでボキャブラリーを足していけばいい。決して難しくない。日本人は、英語が喋れないのではなくて喋らないのです。必ず喋れます。喋ってみれば通じます。通じればうれしいでしょう。そういうふうに考えていけば何も大上段に身を構えて、「これから!」って言わないで、学んだ英語を生かすことからやったらいいのです。中学の教科書をもう1回読んで暗記すれば指導は十分できます。

 ちなみに、ALTというのはネイティブスピーカーだけではなく、東南アジアからの留学生も考えられます。東南アジアの人たちも立派な英語を喋りますから。コミュニケーションとして通じればいいわけです。現役を退職された方のなかにも、国際経験が豊かで英語力の高い人がいるので、そういう人たちにも協力していただく。しかし、あくまでイニシアチブは担任が取らなくてはいけません。将来的には、少なくても小学校で英語を教えられるぐらいの語学力のある人が、教員になるべきでしょう。

 そういうことを考えると、まだいろいろと詰めなければならない。これもすぐにはできません。早くアクションプランをつくって、行動計画、年次計画をつくっていくようにしたい。私はそこまで詰めるつもりでいます。

 教材については、一人の先生が肉声で教えるということが前提ですが、リスニングではテープを聞かせればよいと思います。国際教養大学では、テープによる自主学習で、CNNやBBCのニュース放送は、3か月でほとんどわかるようになります。ICTは、その補助的なものとして有益だと思います。最終答申では、副読本や教材に関するガイドライン、教材開発の指針も出すことになるでしょう。

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