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研究分野:教育情報研究分野

シリーズ「教育大変動」を語る

第7回

「教職大学院は制度として定着するか?」

スタッフの3割が実務家教員という足かせ
古川:
 教職大学院創設のもっとも大きなハードルは何でしょうか?
梶田:
 教職大学院を担うスタッフの3割以上が「実務家教員」でなければいけないという縛りがあり、これが現在足かせとなっています。
 実務家教員とは、20年前後学校の現場におられたとか、指導主事をやられたとか、校長をやられたとかいう教員(元教員)で、辞めてから5年以内の方のことです。

 しかも、現場経験があるだけではなくて、後輩や同じフィールドに来る次の世代の人を指導できるだけの力があるということを実証するものが必要です。
 これが大きなハードルとなるのは、今までの大学の教員組織は、定年になるまで人材の補充をしない、他の分野から人材を招かない、といった慣例があるからです。
古川:
 どの程度の設置数が見込めるでしょうか?
梶田:
 文科省によると、単に設置基準に合致していれば認可するというのではなくて、学部や大学全体の体制が本当に安定したかたちで教職大学院を支えられるかというところを重視する、と大変慎重です。というのも、過去2度の制度改革に失敗しているからです。

 1回は師範学校を学芸学部だとか学芸大学にし、それを教育学部、教育大学にした。しかし、結局使命感もない、授業の力量もない、教材づくりもなかなかできない、ただ単位を集めて免許を取るだけの教員養成になってしまった。もう一つは、流れを変えたいと新構想大学を創ったが、それも本当に現場で役に立つ大学院教育が出来たのか?という点では問題があります。
 従って、まだ決まったわけではないのですが、初年度は10以下の認可になるということを言う文科省の幹部の方もおられます。

 ただし私は少し違う考え方を持っています。3つしか創らなかった新構想大学の例から、ある程度の数を創らないと、制度としては安定したものにならない、3年間で30や40は創らなければいけないと考えています。

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