TOP > 研究分野 > 教育情報研究分野シリーズ「教育大変動」を語る

研究分野:教育情報研究分野

シリーズ「教育大変動」を語る

第8回

「教育基本法」改正(案)で教育はどう変わる?

教育基本振興計画という次の課題
古川:
 教育振興計画の立案について詳細な記述があります。※8これは、現在どの程度進められているのでしょうか?
木村:
木村孟 これについてはまだ議論が出来ていません。2000年の教育改革国民会議で教育基本法改正と振興基本計画の議論が始まりました。しかし、教育基本法の審議が進まないので先延ばしになってしまったのです。

 文科省としても早急に取り組まなければならない課題ですが、歳出削減の影響もあって、現実はなかなか難しい。聖域なき財政再建と言われますが、私は教育は別だと思っています。明治時代にたくさんの外国人教師を高給で雇い入れていたことでもわかるように、日本は教育を重視することで発展してきた国なのです。

 英国ではこのところ教育に関する予算を相当増やしており、教育の現場は活性化してきています。今や一番高い先生の給与は日本円で1,200万円を越え、大学の教授より高くなっています。
古川:
 基本法の改正には、依然として根強い反対がありますが…。※9
木村:
 反対派のいちばんの大きな心配は、「戦前への逆戻り」ということではないでしょうか。しかし、私はそんなことはあり得ないと思っています。インターネット等によってこれだけ情報が開示されている社会は、もう絶対に元へは戻りませんよ。日本では、国民のほとんどが十分に啓蒙されていますし、そういう心配はまずないでしょう。

※8 「教育基本法案」(教育振興基本計画)第十七条[新設]
1.政府は、教育の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、教育の振興に関する施策についての基本的な方針及び構ずべき施策その他必要な事項について、基本的な計画を定め、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。
2.地方公共団体は、前項の計画を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体における教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならない。

※9 教育基本法改正の必要なしとする反対派の主な論拠
(1)現行法は完璧ではないが理想に近い。問題はその精神が徹底されていないことである。
(2)教育基本法の改正の前に教育問題の改善が優先。

▲このページのトップに戻る

幼児教育研究分野
教育情報研究分野
能力開発研究分野
文教政策研究分野
発達支援研究分野