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「働き方」とストレスの因果関係を調査

古川：

　労働科学研究所では各産業分野の労働環境を調べておられますが、今回「教職員の健康調査」という形で教員を調査対象に選んだ理由は？

酒井：

　以前は工場などで働く人の労働環境を調査することが多かったのですが、現在労働者の3分の2は第三次産業、サービス業に従事しています。そこで、近年はそのような分野で働く人の健康と安全についても調べています。

　なかでも、人と密接に向き合って行われる業務は、医療や福祉、教育の分野です。どの分野も高度な専門職でありながら、労働環境はあまり良くありません。

　例えば医師の当直は勤務時間として定義されていないのです。それでも急患が来れば対応しなければなりませんので、その医師は治療などで眠れないことがあっても、翌朝から通常の勤務を行うことになります。

古川：

　教員も毎日たくさんの子どもたちに対応し、さらに雑務が多いため多忙感が強く、労働環境が悪化しているのはだれもが感じているところですね。

酒井：

　この調査では、教員の方たちがどういう働き方をし、どのような健康状態にあるのかを聞き、統計をとって結果の数値を示すことだけを目的にしたのではありません。
　因子分析や共分散分析という方法を使って、各項目が互いにどういう関係にあるのかを調べることで、精神疾患の原因のひとつであるストレスを感じる要因を明らかにしたいと考えたのです。

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  • 第12回
    能動的に学習する授業と教師のフォローが学力の高い子どもを作る！
    • 1. 「確かめる」「発表する」、能動的な授業は学力を向上させる
    • 2. 課題を行わせた後のフォローが学力を作る
    • 3. 「話し合い」の授業では、目的や児童生徒の年齢を考慮する
    • 4. 読書やドリルなど基礎的な訓練は、学力向上に効果大！
    • 5. TTと少人数学習は、さらに分析を積み重ねる必要あり
    • 6. 先生の指導方法そのものが、学力を左右する！
  • 第11回
    児童の学力を左右する「社会的背景」とは？
    • 1.「学力」を「社会的背景」と結びつけることの意義
    • 2.「世帯所得」と「学校外教育費支出」に影響される学力
    • 3.親の価値観が将来を決める「ペアレントクラシー」
    • 4.「新たなモラル」が引き起こす学力低下
  • 第10回
    教員のストレスは、残業減では解決しない！
    • 1.「働き方」とストレスの因果関係を調査
    • 2.教員が抱える問題を洗い出すプレ調査
    • 3.「多忙」はストレスの直接原因ではない！
    • 4.安全衛生の見地からの提言
  • 第9回
    児童生徒の「意欲低下」はなぜ起きる？
    • 1.日常生活の問題が意欲低下の原因に
    • 2.医学的にも問題がある生活リズムの乱れ
    • 3.規範意識の乱れは大人側の問題
    • 4.運動能力低下への歯止め
    • 5.メディア提供側の対応
    • 6.学校から家庭への働きかけ
  • 第8回
    「教育基本法」改正（案）で教育はどう変わる？
    • 1.改正すべき3つの理由
    • 2.「公共の精神」と奉仕活動
    • 3.義務教育の年限はなぜ削除された？
    • 4.教育基本振興計画という次の課題
    • 5.「教育基本法」改正のポイント
  • 第7回
    教職大学院は制度として定着するか？
    • 1.「新構想大学」ではなぜだめなのか？
    • 2.フィールドワーク重視のカリキュラム
    • 3.スタッフの3割が実務家教員という足かせ
    • 4.教員養成の学部、大学全体の衣替えを期待
  • 第6回
    現役教員にも教員免許更新制度を適用
    • 1.復活審議だった教員免許更新制
    • 2.教師の資質向上の3点セット
    • 3.終身免許だったはずでは？
    • 4.講習で重視されることは何か？
    • 5.修了試験はあるのか？
    • 6.免許不要論と教員の高学歴化
  • 第5回
    なぜ、教育においても規制緩和なのか？
    • 1.規制改革・民間開放推進会議が目指すものとは？
    • 2.一般社会人の教員登用による教育の質向上
    • 3.学習者による教員評価の必要性
    • 4.教育バウチャーの導入と教育委員会の廃止
  • 第4回
    「全国的な学力調査」の真のねらい
    • 1.そもそもは「ゆとり教育」への危機感から
    • 2.求められる教育の結果の検証
    • 3.行政の自省自戒のための調査
    • 4.教育課程実施状況調査のさらに基礎
    • 5.世間の厳しい目に応えてほしい
  • 第3回
    動き出した小学校英語の必修化
    • 1.小学校英語は国家戦略
    • 2.国語への影響は一切ない
    • 3.中学校の英語の.教科書で十分?
    • 4.将来は.教科化がいい
  • 第2回
    義務教育の構造改革がもたらす課題
    • 1.脱画一教育政策がエリート教育を生む
    • 2.学校選択制で選別される子どもと保護者
    • 3.第三者による学校評価では教育はよくならない
    • 4.教育特区の全国化で義務教育の基盤が崩壊する
    • 5.政府主導の「独善的論理」による教育改革
    • 6.「共創」の教育で義務教育はよみがえる
  • 第1回
    義務教育国庫負担金はどう審議されたか？
    • 1. 不条理な二者択一　「国庫負担廃止」か「改革」か
    • 2.本当に義務教育国庫負担金は地方の自由を奪っているか？
    • 3.国としてのシンボルと中立性の問題

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