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研究分野:教育情報研究分野

シリーズ「教育大変動」を語る

第12回

能動的に学習する授業と教師のフォローが学力の高い子どもを作る!

「話し合い」の授業では、目的や児童生徒の年齢を考慮する
古川:
 グラフ11と12の「話し合う授業」では、小学校と中学校で傾向が違いますね。小学校では学力向上に効果があるが、中学校では逆効果といった結果が出ています。
グラフ11・12
山崎:
 話し合いを取り入れた授業は、中学校でも学級構成員の意欲を高めたり、友だち作り等の人間関係形成など、学級経営には有効だと思います。しかし、話し合いに時間を割かれてしまうことで、必要なカリキュラムを消化できないなどのマイナス面があるのかもしれません。

 また、中学生は思春期に差し掛かる時期ですから、しらけたり照れもあって、なかなか活発な話し合いになりづらい事情もあるのではないでしょうか。
読書やドリルなど基礎的な訓練は、学力向上に効果大!
古川:
 よく言われていることですが、グラフ13や14を見ると、やはり基礎的な練習は学力をつけるために欠かせないという結果が出ていますね。まずグラフ13の「朝の授業の前に、学習や読書の時間がある」ですが、特に小学校の場合はかなり大きな差があります。
グラフ13・14
山崎:
 グラフは国語と算数の総合偏差値ですが、小学校では教科別に見ても、国語で大差が、算数でも中程度の差があります。特に読書の効果は高く、文字に親しむ、文学作品に興味を持つということだけではなく、考える力が形成され、勉強する態度も身につくため、教科の別なく学力向上に効果があることがわかります。
古川:
 グラフ14の「プリントやドリルの問題を解く授業」では、小学校でずいぶん点差に開きがあります。
山崎:
 統計的には、中学校でも有意な差があります。当然のことですが、プリントやドリルなどを使った基礎的な訓練は学力を向上させるということですね。

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